カッコいい体をつくる「除脂肪メソッド」

脂肪をとってカッコいい体になりたいとは男性も女性も願うことでしょう。

脂肪を減らすということで、“除脂肪”という言葉を使って、その方法を追求します。

追求者はボディビルでチャンピョンなどの経験があるバズーカ岡田こと岡田隆。

彼の著書「除脂肪メソッド」に全面的に依拠してまとまました。
ボディビルまでは全然興味ないという人も、カッコいい体になりたいのであれば目指す方向は一緒です。

ダイエットとかボディメイクはいろいろ誤解の多いものですから、
ここでは学問的にも証拠のあることをもとに説明します。

知らなかったことなどもあり、参考になること請け合いです。

石井直方×岡田隆、師弟対談

バズーカ岡田はかつて東京大学大学院で学んだことがあります。その時、石井直方教授(現名誉教授)に師事しましたが、久しぶりに師弟対談をしました。内容は以下のようになります。
石井先生
石井先生
昔のボディビルダーの減量の方法は2タイプ。一つは、短期間にガッと落とす。例えば、1カ月に10キロとか。もう一つはある程度期間をかけて落とす方法です。私は後者の方で、半年とか期間を設けて、最初の3ヵ月に15キロくらい落とし、残りは目標体重としてキープに努めるタイプ。まあ人は試行錯誤してますから、人それぞれです。

あるボディビルダーの方も、一度脂肪を落としてから筋肉のサイズアップを図るのがいいと言ってました。減量すれば脂肪ばかりでなく筋量も落ちていますから、あとは食事とトレーニングで体の迫力を出すようにするんですね。
バズーカ岡田
バズーカ岡田


一般の人の場合、筋量を維持しながら体重を落とすのは月2キロと言ったところです。半年かけて10~12キロ落とすのが一番です。ただし、コントロールは難しいですよ。すぐリバウンドしたりしますから。
トレーニングは筋トレと有酸素運動を一緒にやってました。例えば、有酸素運動的な腹筋を30分とか、50センチ程度の踏台の昇降運動を20分とかです。単純に有酸素運動をするより良さそうです。


最近は、「ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング」で減量する人も増えています。これは、例えば腹筋を30回やったら2~3分インターバルを入れて、合計で30分するというようなものですね。また、ダブルスプリットにすることで、減量効果が上がりました。例えば、昼間の部分と夜の部部のという風にトレーニングを分けるのもいいですよね。


食事についてはあまり意識をしていませんでした。まあ、炭水化物と脂質の摂取を減らし、たんぱく質(プロテイン)を多めに摂る。回数は、プロテイン摂取を含めると1日6~7回です。糖質制限も過度なものは厳禁です。人には糖代謝というシステムがあります。血糖値が上がるとインスリンが分泌され糖質の分解を始めますが、同時にたんぱく質の合成も上げるというシステムです。糖をとらないとたんぱく質も減るというのはこういうことです。


食事は結局は体に必要な栄養素をバランスよく摂ることですね。いい体をつくるというのは、サジ加減ですよ。一般の人は、体重を変えずに脂肪を3キロ減らす、つまり除脂肪体重を3キロ増やすというのは十分できます。要は、自分の状態を考え、体重を減らす必要があるか、減らさなくってもいいかを把握するんですよ。“変なこと”ではなく、効果がチャンと出ることを頑張るということですね。

 

基本メソッドで出来る除脂肪

食事制限をして運動量を急に増やしたりしますと痩せますが、長続きせずリバウンドも起こりやすくなります。ここは計画的長期的に取り組んで、脂肪を減らし、かつカッコイイ体を目指すべきではないでしょうか。そんな体を手に入れる基本メソッドから話していきます。

基本メソッド1: ベースラインのカロリー調整

まずベースラインのカロリー値を知るべきです。よく使われる方法に、「除脂肪体重 × 40」というのがあります。これで太りもしない、痩せもしないカロリー値を算出できるのです

除脂肪体重って、知らない人も多いのでは?
体組成を計測できる体重計で計測できます。これは生体電気インピーダンス法といいう方法をつかっています。これで簡単に体脂肪が計算できるんです。体脂肪量が出てきた場合は、総体重から体脂肪を差し引いたものが除脂肪体重であり、体脂肪率が出ている場合には、総体重×(1-体脂肪率(%))が除脂肪体重となります。

ベースラインのカロリー値の計算では40倍していますが、これは一生懸命筋トレした時の数値なので、そうでない方は40より少ない数値を使うのが良いです。実際のところ、計算でポンと出たものが適切かはまだいえません。なので、仮に一旦計算したカロリー値になる食事を1週間続けて見て、体重が一定のままかどうかを見てみます。

1週間の平均体重が±1キロも変化があると調整が必要と言えます。体重が増えていれば、摂取カロリー多すぎで運動が足りないということですし、体重が減っていれば、摂取カロリーが少なすぎるということがわかります。自身の現状から、体重落とすのが最優先なのか、カッコイイ絞った体にするのが目的なのかで違ってきますが、後者であれば、摂取カロリーを増やすようにしましょう。

 

基本メソッド2: PFCバランスの調整

PFCとはたんぱく質のprotein、脂肪のfatそして炭水化物のcarbohydrateの頭文字をとったものです。バランスと言っているのは、この3大栄養素の摂取バランスのことです。つまり、1日の各栄養素の摂取量をコントロールすることが大事ということです。

前回、1日のベースラインカロリーを計算しました。PFCバランスでは、栄養素ごとの内訳を計算します。やり方は慣れれば簡単です。

まず決めるのは、脂肪の摂取カロリー。脂肪は、摂り過ぎても摂らなさすぎでもダメで、ちょうど良くないといけません。通常人で、大体ベースラインカロリーの10~20%の範囲内です。仮に2000kcalがベースであれば、200~400kcalということです。脂肪は1g当たり9kcalですから、22~44gの脂肪ということになります。

次に、たんぱく質です。1日の必要たんぱく質量を体重に1~2かけて出てきた計算値をグラウムにしたものということが良くあります。でも除脂肪体重をせっかく計算しましたからこちらを使いましょう。こちらの方が正確ですから。計算は除脂肪体重×2~4で計算します。例えば除脂肪体重が50キロの人は100~200gのたんぱく質を摂るようにする計算です。これをカロリーに変換します。たんぱく質の場合、1g当たり4kcalですから、たんぱく質の摂取カロリーは400~800kcalとなります。

そして最後が炭水化物です。すでに脂肪とたんぱく質は計算しているので引き算すれば計算できます。ベースが2000kcalにしていましたから、脂肪200~400kcal、たんぱく質400~800kcalを引いたものが炭水化物の摂取カロリーとなります。この場合ですと、800~1400kcalが炭水化物です。炭水化物も1g当たり4kcalですから、200~350gの摂取の計算です。大体、お茶碗1杯で150g程度でしょうから、1.33杯から2.33杯程度が一日の炭水化物摂取量です。イメージ湧きましたか。

この際、大事なことは脂肪はあまり動かさない方がいいということ。たんぱく質と炭水化物でやりくりしながらベースのカロリーにしていくということです。

 

基本メソッド3: 食事の回数を増やす

ベースラインカロリーも分かり、PFCバランスの方針がたてば、今度は食事を分割することです。痩せるには食事回数を多くして、1回の食事量を少なくするのがいいです。逆のパターンでよく知られているのは、力士の食事ですよね。1日2回しか食事をせず、しかも大量に食べる。そうやって体を大きくするのですが、ダイエットの場合は逆をすればいいくらいのことは想像できますよね。

ご存じかと思いましが、食事を多くとると、炭水化物などは分解されてブドウ糖などになります。血液中にブドウ糖が増えるとすい臓からインスリンが分泌され血糖値を下げるべく、ブドウ糖をグリコーゲンと中性脂肪に分解するんです。特に中性脂肪は体中にある脂肪細胞に運ばれて貯蔵されます。これが内臓脂肪や皮下脂肪になるんですが、つまり肥満です。ダイエットしようとしているのに肥満になりやすいとは、まずいですね。

だから1回の食事量を減らすとインスリンの分泌量が減るから望ましいということです。なので、1日の食事のモデルプランでも作ってみて、適当に分割するのがおススメです。

 

剃本メソッド4: タイミングと分配比率

食事を分割しても均等にすると効果薄になります。使う時とか回復させる時に多く摂るということです。

例えば、筋肉を増やそうとトレーニングしているなら、この前後にカロリーを集中させるのです。そうすると筋肉合成に効果があります。そしてそれ以外の時間帯は、エネルギー少な目とか枯渇させると、体脂肪がエネルギーに使われるようになり、ダイエットに非常に望ましいことになります。

なので、通勤とか仕事時には体脂肪を減らす時間帯と考え、低糖質の少なめの食事をすることです。ただし、朝の通勤前の食事は、睡眠によってエネルギーが減少した状態ですから、ある程度の量は摂った方がいいです。

「食べて痩せる」とよく聞きます。誤解も多いかもしれませんが、これは食べたらトレーニングなどをしてしっかり消費するという意味です。そして、トレーニングなどしない時には体脂肪をエネルギーに回すようにすればいいということなんです。

基本メソッド5: 高GI食品から低GI食品

血糖値上昇によるインスリンの多めの分泌はダイエットには良くないことは分かったと思います。実は食品によって血糖値上昇が違っているんです。それを計るものにGI(グリセリック・インデックス)値といいうのがあります。

GI値は0~100までありますが100に近いほど血糖値を上昇させやすく、低ければ緩やかな上昇になるというものです。高低は次のような3区分にするのがいいと思います。高GI値は70以上、中位は56~69、低GI値は55以下という区分です。

GI値別の食品をすべて低GI値のものに変えるのは実際ムリがあります。なので、トレーニング前とかのエネルギー消費が大きい時には高GI値食品、そうではなく体脂肪を燃やす時間帯は低GI値食品にするというのがいい方法です。

 

◇食品別GI値(()内数値がGI値)

高GI値食品 中位 低GI値食品

食パン(95)
フランスパン(95)
精白米(88)
もち(85)
うどん(85)

パスタ(65)
おかゆ(57)

玄米(55)
ライ麦パン(55)
オートミール(55)
五穀米(55)
そば(54)

アイスクリーム(65) 卵(30)
バター(30)
プレーンヨーグルト(25)
牛乳(25)
ジャガイモ(80)
にんじん(80)
こしあん(80)
つぶあん(78)

カボチャ(65)
里芋(64)
栗(60)
サツマイモ(55)
厚揚げ(46)
豆腐(42)
納豆(33)
キャベツ(26)
大根(26)
ブロッコリー(25)
ほうれん草(15)
いちごジャム(82) パイナップル(65)
レーズン(57)
バナナ(55)
ぶどう(50)
メロン(41)
桃(41)
リンゴ(36)
オレンジ(31)
グレイプフルーツ(31)
キャンデー(100)
チョコレート(91)
フライドポテト(85)
カステラ(69)
ポテトチップス(60)

プリン(52)
100%果汁ジュース(42)
ワイン(40)
サワー(38)
日本酒(35)
コーヒー(35)
ビール(34)
紅茶(20)
ブラックコーヒー(16)  

(出所)「除脂肪メソッド」より抜粋

 

少々キツイ奥の手メソッド

基本メソッドだけでもかなり効果はでます。ただし、続けていると停滞期が訪れて、気分的に焦りが出るかもしれません。そんな時にこれから話す3つ奥の手のメソッドを使ってみてください。どれでもいいです。かなりキツイですが、停滞期を吹っ飛ばすのは間違いないです。

奥の手メソッド1: カローリー10%減

カロリーを減らすとテキメンに体重が減少しますが、かなりキツイ。つまり食べるのを我慢するわけです。その減少幅は、最大で10%にします。始めるときは5%とか少ない数字の方がいいです。いざ始めてみて、しばらく様子を見て、再び停滞したなと思えば、さらにカロリー10%減を行います。ただし、大事なことですが、落とす限度は除脂肪体重×30までということです。

摂取カロリーを落とし過ぎると体が防衛に入ってしまって、代謝を少なくしてしまいます。そのため、悪い影響がでてきます。なにをしてもフラフラしてきたりで、もうすべてを投げ出したくなり、座っている時間が長くなってしまいます。また、炭水化物で調整し、減らした場合、食物繊維も減りますから便秘気味となります。このため全身がスッキリしない状態になるのです。そうならないためにも除脂肪体重の30倍までが限度とします。

一般の人は、とにかく食事を減らしてダイエットしようとしますが、以上のような理由からお勧めできません。必要な分というのがありますから、それを確保したうえで減らすという考えでないとダメです。

奥の手メソッド2: 有酸素運動

有酸素運動(カーディオエクササイズとも言います)を毎日継続して行えば、脂肪を除くうえで非常に有効です。例えば、一番簡単な散歩でも、毎日1時間するとします。基本メソッドに追加してこの有酸素運動を取り入れれば更なる変化が起こること請け合いです。

在宅勤務とかで座ってばかりいる人は、基本メソッドを使っても効果があまり出ない場合もあります。その場合には、有酸素運動として、座ってばかりでなく動きましょう。近くのコンビニに歩いていくとかでも運動になります。なので、一日の生活を見直してみて、歩ける部分を増やすのも手です。

有酸素運動は、朝食前の空腹時に行うのがとても効果的です。睡眠中、血糖値が低下しているので、体脂肪がエネルギー源として利用されやすいからです。しかも継続してできれば、長期的な脂肪燃焼にも効果大です。簡単なのは、朝食前にジョギングを行うとかです。

サプリメントはどうかというと、筋肥大の効果を狙ったものであれば、有酸素運動の後に取るのがいいでしょう。つまり、有酸素運動は除脂肪のため、サプリメントとは筋肥大のためというように時間を分けるのが効果が出やすくなるからです。

奥の手メソッド3: 高強度インターバル運動

HIIT(High Intesity Interval Training)とも言います。有酸素性の運動能力と無酸素性の運動能力の両方を催促で上げていきます。

例えば、究極の無酸素運動と言われる400メートルを意識した全力ダッシュを20秒ほど行い、その後10秒の休息をⅠセットにし、合計で8セットするというもの。つまり合計で4分ほどになりますが、この運動効果は非常に高いものが得られます。走るのでなくとも、自転車とかウェイトリフティングなど、全身を使いものであればOKです。

有酸素運動の脂肪の燃焼はゆっくりしたものと言えますが、このHIITは急激で大きな運動であることから、エネルギー消費を何倍も行います。他に心拍数も上がったりしますから血管も強くなります。そして、トレーニング個の過剰酸素消費のよって体脂肪を減らす効果があります。短距離走の選手は引き締まった筋肉をしているのをイメージすれば分かると思います。

注意して頂きたいのは、このHIITにしろ有酸素運動にしろ、前提はよく食べてよく運動するということです。

 

 

自己管理が生死を決す

ダイエットや除脂肪の進捗状況を知るには、簡単な数値のモニタリングがすることです。測る数値も、体重とウェストサイズとかの組合せで始めのがいいでしょう。組み合わせにすると、例えば体重が減っていなくってもウェストサイズが減っていれば、筋肉が増えて脂肪が減ったと考えられます。あるいは体重が減っているのにウェストが減らない場合、筋肉や水分が減っているが、脂肪は全然減っていないという良くない状況になっているとお考えられるからです。

体重計についている体脂肪率計測も使えますが、これは必ずしも正確ではありません。なので参考程度にするのがいいです。また、自撮りで鏡などに映した自分の体を撮っておくのもいいです。短い期間だと変化は少ないものの、ある程度期間を開けると変化に気付くことになるからです。そうすればやる気も強くなるというものです。

計測の時間帯は、起床して排尿を済ませた後というように時間を決めて測るのがいいです。また、1日毎の変動を見るのではなく1週間の平均値の変化を見るのが大事です。日々の変化ではなく1週間の平均が変化しているかどうかをみて、停滞しているなと思えば、メソッドを変えたり追加することを検討します。

 

食事&トレーニングと除脂肪

これまで基礎メソッド5つと奥の手メソッドを3つ紹介しました。この使い方について少し追加します。

まず初心者であれば、最初はどれか簡単なものを一つだけ実践すれば十分です。例えば、日頃の食事を見直し、高GI食品があれば、それを低GI食品に変えてみるとかです。あるいは量を減らすため、ご飯を一口分とか二口分残すようにするというのも続ければ効果が出ると思います。

初心者もトレーニングを取り入れましょう。まずは、週2回程度自宅でできる簡単なメニューで十分です。例えば、腕立てを30秒して、10秒休み、次に腹筋30秒して10秒休み、スクワット30秒と10秒休み、背筋30秒と10秒休みというのをⅠセットと考えて6~9回程度すれば30分くらいになります。これは初心者には結構きついHIITになると思いますが効果は出てきます。トレーニングをする時間は、除脂肪が目的ならば夕食後がいいですし、筋肥大の為ならば夕食前がおススメとなります。

なれてきて初心者から中級者に入ったと思えば、食事はPFCバランスを守りながらカロリー10%減のメソッドを取り入れると効果がさらに上がります。なお、これらメソッドを使う上で重要なのは自己管理を十分にすることです。つまり、脂質を10gなどの低水準に設定して、日常の活力がなくなってきたとか、肌や髪にハリやツヤがなくなってきたと感じたら、脂質の量を少し増やすようにするくらいの管理はしないといけません。

中級であればトレーニングは週4回程度行うようにします。ジムや公共のスポーツセンターに通うのもいいです。ジムでは、フリーウェイトやマシンを使うようにします。胸や背中、肩や腹、脚などを鍛えるマシンが揃っているはずです。各マシンで10回程度で限界近くになるのようにし、休憩をいれればHIITです。これを3セットも行えば十分です。またトレーニング後にプロテインを飲むと菌肥大の効果が高まります。

中級者のメニューで物足りなくなれば上級者となります。中級者でもジムのトレーナーなどを親しくなっていくでしょうから、彼らからのアドバイスも得られるのではないかと思います。なので、上級者については割愛することにします。

 

リバウンドの防ぎ方

これから紹介する方法は小手先のラクなテクニックです。なので、長期的な取り組みはあくまでも基礎及び奥の手メソッドであることを忘れないでください。さらにこの基礎メソッドなどにリバウンド防止テクニックを取り入れることで、せっかく手にした体を持続させることもできます。

目標達成で自分にご褒美的な発想はダメです。例えば、何キロになったらご褒美で糖質や脂質さらには砂糖の一杯の食事をしたのではせっかくの努力がパーになりかねません。そんなこと考えるようでは、相当ストレスが溜まっているということです。精神的にも無理があるのかもしれません。なので、無理のないメソッドに変えた方がいいかもしれません。

リバウンド防止テク1:チートデイ

チートというのは騙すという意味です。ダイエット中に食事制限をしていても体重が減らないで停滞期になることがありますが、そんな時に週1日を限りに何を食べてもいいチートデイにするのです。これは、食事制限で体のエネルギー消費が減少している時に、刺激を与えることになりますので再びエネルギー消費が増えることにつながります。また、溜まっていたストレスの発散にもなりますので、心機一転次からの節制にも取り組めるというものです。

チートデイで好きなものを食べれば体重は増えるでしょう。でも1~2日中に落ちてきます。チートデイでもトレーニングはした方がいいと思いますが、人それぞれなところもあります。自分の目標に照らしてみてトレーニングは休もうと思えばそれでいいです。とにかくチートデイの後は除脂肪もさらに進め、次のチートデイに臨めるようになるのがベストです。

リバウンド防止テク2: サイクルダイエット

サイクルダイエットの本質はチートデイと同じです。ただ、チートデイよりも期間を短くします。チートデイが1週間単位であったのに対し、サイクルダイエットは3日に1回とか、4日に1回のようにします。期間が短い分、精神的に楽な部分があります。ただ、摂取カロリーについては細かに管理します。

例えば、3日の場合、ベースラインカロリー計算などで3日間の合計が計算したうえで、1日目と2日目を少なくして、3日目を少なくした分上乗せるというやり方です。具体例では、ベースラインが2,000kcalでしたら、3日で6,000kcalとなりますから、1日目と2日目は1,600kcalにして、3日目を2,800kcalにするといういう具合です。4日の場合も同様な計算をして計画を立てます。

多く食べられる日にきつめのトレーニングを当てるといいです。食事のサイクルとトレーニングがうまくかみ合うと除脂肪と筋肥大の両方の効果が期待できますから。ただ、他の日はかなりな低エネルギーが続きますから、体が省エネモードにならないように注意が必要です。

チートデイとサイクルダイエット、どちらがいいかは人ぞれぞれです。サイクルダイエットの場合、たまに取り入れるというのがいい場合もあります。

リバウンド防止テク3: ローカーボダイエット

ローカーボというのは低炭水化物の意味で、糖質制限のことです。これは体重を落とすには非常に効果的です。でも筋肉も落ちてしまいますから問題です。つまり筋肉減少で代謝も減少するのです。そうすると体が節約モードになってしまう。そのうえ低血糖ですから、体はかなりきつくなります。頭がボーッとしたりストレスも感じ仕事の効率も悪くなります。実はこれ、太りやすい体になってきているのかもしれません。

また炭水化物には食物繊維も含まれていますから、食物繊維減少で腸内環境が悪くもなります。便秘にでもなれば、体重が増える原因にもなりかねません。

なので、しまった体を望むなら、基本メソッドと奥の手メソッドを全部するこrとです。そのうえで停滞期に入ってしまったけれど、まだ落としたいという場合に糖質制限という手があるということです。つまり、除脂肪できトレーニングでいい体になった人が、ちょっとしたメンテナンスを行う際にローカーボを使うのなら効果的と言えます。その際には野菜などの食物繊維を撮ること忘れないようにしましょう。

リバウンド防止テク4: 吸収遅延ダイエット

これは食事の際に食べる順番を決めるやり方です。まず最初に、野菜や海藻をとることで食物繊維を摂ります。この後、肉類などのたんぱく質、そしてご飯などの炭水化物をとるといった順番です。食物繊維は胃では消化されません。これが肉類やご飯などの後から食べたものの消化吸収を遅らせます。つまり、血液中の糖質、脂質、アミノ酸の急な上昇を防ぎ、緩やかな上昇に変えてくれるんです。急激な下降も防げます。なので急に空腹になって抑えられない食欲が出ることもありません。

食物繊維は野菜から取るのが一番です。なので、食事の際、野菜を一品増やすというのがおススメです。これはカロリー計算の除外品目で、PFCバランスでも除外しても問題はありません。最近はサプリメントも豊富にありますので、利用するのもいいでしょう。

この吸収遅延ダイエットの効果はほんのわずかですが積み重ねていけば除脂肪効果は大きいし、リバウンドも起きません。なので、食生活の習慣にしてもらいたいものです。

以上で、除脂肪という目的を、主に食事のコントロールを行い、追加的にトレーニングも取りいれることで、果たせることを説明しました。これでかなりな程度目的達成できるのですが、でももっとカッコイイ、人がうらやむような体になりたいのであれば、さらにトレーニングのメニューを増やし実行する必要があります。ここでは長くなりますので、そこまでは踏み込まないことにします。

 

豆知識:熱転換
人間には体温があります。この体の温度は、大雑把に言うと筋肉が6割を作り、肝臓などの活発な活動をする臓器が2割、そして褐色脂肪細胞が2割という内訳です。マウスの実験では、熱生産機能を失わせたマウスはぶくぶく肥満したと言いますから、熱転換あるいは生産は肥満防止機能があると言えます。
褐色脂肪細胞は熱をつくる専門の脂肪組織で、兄弟のような存在ながら普通の脂肪である白色脂肪細胞とは大きな違いです。でも残念ながら褐色脂肪細胞は人の体の中には40g程度しかなく、冬眠するクマと比べて、絶対量、体重比ともに非常に少ないです。クマって冬眠中でも褐色細胞による脂肪分解で生きのびるんです。褐色脂肪細胞の働きに期待する声はありますが、量から考えると、やはり筋肉の方が重要な効果があるということです。

(敬称略)

参考文献:

「除脂肪メソッド」岡田隆著 ベースボール・マガジン社

 

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