必読‼ ダイエットに必須の簡単計算式とツール

 

何事も正しく理解して使えれば、
サルよりも何段もレベルの高い霊長類になれます。
簡単なことを学び、実践するだけで合格です。

まず体重・身長だよね

人の体を計るときは、まず身長と体重だと思います。
女性の場合は、さらに3サイズとかあるみたいですが、
ここではとりあえず身長と体重からスタートします。

身長も体重も政府統計で年齢別の平均値を知ることができます。
加えて標準偏差もあり、統計学を知っている人は、上の方何%とか、
あるいは下の方何%とか知ることも可能です。
ここでは、小難しくなるのでこの辺でやめときます。


自分の身長とか体重が他の多くの人と比較した場合、
どうなのかを知る場合には大いに参考になるデータです。

最近の体重計は、体重ばかりでなく、除脂肪体重も計測できます。

体格指数(BMI)の計算

自分の身長に対し体重はどうなのか?
つまり太り過ぎ、あるいは痩せ過ぎなどをチェックする場合、

他の尺度が必要になります。

よく使われるものに、BMIという体格指数があります。
BMIはBody Mass Indexの略で、身長と体重から電卓で計算できます。

BMI = 体重(㎏)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

という計算式です。このBMI値の判定は、国によって違いがあるようです。
成人について、日本とWHOの
判定基準は下表のようになります。


普通体重のBMI値は、18.5~24.99の範囲にあります。

BMI値の計算式を思い起こし、計算のお遊びをしてみましょう。
例えば、身長1.7mの男性が、BMI上、普通体重がどれくらいかを、
逆算します。つまり、

普通体重 =(身長(m))×(18.5~24.99)

を計算です。結果は、53.465㎏~72.22㎏となります。

結構広い範囲を普通体重と言っていることになります。
なので、BMI値の真ん中あたりの22とかを使って計算した

63.6㎏を標準体重とするところもあります。

BMI値が標準体重の範囲を超えると、特に肥満の場合、
多くの問題や病気が出たりしますので、充分に注意が必要です。


もう一つ、BMI値と体重について別の使い方もあります。

女性の間では、美容体重とかモデル体重とか言われることがあります。
これは、先の標準体重の計算時にBMI値を22としましたが、
美容体重では20を、モデル体重は18を目標値として使います。

例えば、身長1.6mの女性の美容体重は、51.2㎏ですし、
モデル体重は、約46㎏になる計算です。
繰り返しますが、BMI値をそれぞれ20と18にした体重です。
実際、BMI値を20とか18から遠い女性も多いかもですけど。

 

代謝の計算

体重とエネルギー量のカロリーは密接な関係があります。
つまり、食物から摂取したエネルギーと消費するエネルギーが、
釣り合っていれば体重は一定です。

摂取エネルギーが消費エネルギーより多すぎれば太りますし、
反対に摂取エネルギーが少なすぎれば痩せます。

人間の体は複雑な面が多々ありますが、簡単なこともあります。

ここでは、消費するエネルギーから先に見ていきます。
エネルギー消費は代謝ということが多く、下図のように分かれます。

全エネルギー消費の内、一番多いのは基礎代謝です。
基礎代謝は、言わば何もしていなくっても使われるエネルギーです。
筋肉は運動していなくっても、分解や合成によりエネルギーが消費されます。
また、脳や内臓各器官も、いわば自動的に動いてエネルギーを使っているんです。
つまり、基礎代謝は生命維持に必要なエネルギー消費ということです。

身体活動時代謝は、運動など体を動かしたときに使うエネルギーです。
食事誘発性熱産生は、食事をするにもエネルギーを使っているということです。

 

基礎代謝の計算方法

基礎代謝の計算方法にはいろいろあります。以下は簡易式のひとつ。

男性の基礎代謝=66+13.7×体重(㎏)+5.0×身長(㎝)-6.8×年齢

女性の基礎代謝=66+9.6×体重(㎏)+1.7×身長(㎝)-7.0×年齢

他の簡易式の計算結果も多少の差はありますが、似たような結果です。

全体の代謝の推定

全体の代謝の推定もできます。
身体活動時代謝は、15%~25%と範囲があります。

運動など多めの人は25%に近い数字ですから基礎代謝比率を60%、
少ない人は15%に近い数字と推定し、基礎代謝比率を70%を取り合えず使います。
つまり、運動多め人の場合0.6、少なめは0.7で、もちろんこの範囲で調整は可能です。

全エネルギー代謝 = 基礎代謝量 ÷ (0.6~0.7)

これで簡単な全体のエネルギー代謝量を推計しました。
食事誘発性熱産生は10%程度ですから、改めて身体活動時代謝が気になります。

身体活動時代謝の消費カロリー計算

実は説明するの少々難しいです。なので計算式を最初から出します。

エネルギー消費量 = エネルギー代謝率(RMR)×時間(時)×体重(kg)

エネルギー代謝率なるものが出ていますが、
これも難しいので簡易計算式を先に出します。

RMR = 1.2 × (メッツ-1)

単位は kcal/kg/時 と全然見なれないものです。
しかも、メッツという知らない言葉があります。
順に説明していきます。

エネルギー代謝率(RMR)は身体活動強度を示すもので、
身体活動やスポーツによって違います。
計算内容は、個別の活動に必要としたエネルギー量が、
体重1㎏あたり、かつ1時間あたり何Kcalの
エネルギーが必要かを示すものです。

RMRの簡易式にはメッツが入っています。
メッツは、安静時の酸素摂取量を1としたときに、
何倍のエネルギーを消費できたかでを示した単位です。
運動ごとに、その数値は細かく出されています。

メッツ 運 動 種 類
テレビを見たり車に乗る(1)、座って会話や食事やデスクワーク(1.5)
料理や洗濯、着替え、洗面、シャワー、ゆっくり歩行
普通歩行や掃除、全身を使ったテレビゲーム(3.8)
卓球やラジオ体操(4)、バドミントンとゴルフ(4.3)
野球やソフトボール
バスケットボール(6.0)、山登り(6.5)
ジョギング、サッカー、スキー
サイクリングや重い荷物の運搬
10 柔道、柔術、空手などの武道・武術

詳しい表は、「健康長寿ネット」にありますので、
もっと細かなことが知りたい方は、ご参照ください。

これで、運動の種類、時間そしてあなたの体重を代入すれば、
身体活動時代謝が計算することができます。

他に、非運動性身体活動代謝がありますが5%程度ですので、
食事誘発性熱産生の半分くらいにしておけばいいのです。
これで各エネルギー消費量が計算されることになります。

これらを把握していると体重管理や健康に非常に有利になります。

 

食事のカロリー計算

さて今後は摂取エネルギーのカロリー計算をします。

料理はいろいろな食材を調理して作る上げます。
食材1つのカロリーから1つの料理のカロリー計算なんて、
一般の人には絶対ムリです。

でも世の中は進歩しています。
管理栄養士などが、コツコツと積み上げた来た料理ごとのカロリー、
今や巨大なデータベースとして存在するのです。

一般の人は、手頃に知れるかどうかが重要ですが、
サイトがあります。おススメなのが2つほど。
ひとつは株式会社明治のサイト、もう一つはあすけんのです。

◇明治のサイトは、食と栄養のバランスチェックというページです。
入り方には一回の食事のカロリーを知りたい場合はこちらから
1日の食事のカロリーを知らいたい場合はこちらから

両方とも繋がっていますが、1日の方は性別年齢を入力することで、
性別年齢に応じた栄養バランスのチェックができます。
また両方とも食事の画像クリックですから簡単入力です。
まぁ、案ずるより産むがやすし、です。
見てみてください!


(注)上の画像は株式会社明治のサイトの1画像です。

◇もう一つはあすけんのカロリー計算のページです。
先ずページにアクセスしてみたください。

こちらの方は、1ステップでカテゴリーを選びます。
画像で選ぶこともできますし、検索窓に入力して選ぶこともできます。
2ステップでメニューを選びます。いっぱいあるので困りません。
3ステップで分量を選ぶことができるので、
より正確なカロリー量を知ることができるのです。


(注)上の画像はあすけんのサイトの1画像です。

どちらも、非常に便利です。
いつまでもこのページがあるかどうかは分かりません。
もしなくなれば、他のところがもっといいのを出すと思いますが、
でもすぐにでもアクセスして体験しておくのがおススメです。

そして1日の食事の総カロリー量が分かれば、
前のところでみた消費カロリー量と比べるのです。
これが重要です。

ベースラインのカロリー量の考え方

あなたの現在の体重が適正かどうか分かりません。
でも、もし体重が一定であれば、ベースラインになります。
摂取と消費の量カロリーがバランスしていると言うことです。

もしカロリーの過剰摂取ならば直ぐに太りますし、
反対に過少摂取なら痩せていくでしょう。

これは逆からも言えます。
もし、体重が増えたらカロリー摂取が多すぎるし、
体重が減ったらカロリー摂取か少ないということです。
「痩せたー、ウレシイ」などと安心しないで。話はまだありますから。

体重とカロリーは計測は習慣化して欲しいものです。
そして太った痩せたの判断は1週間の平均値をもとにしてください。

体重計に乗るのは良いけど、毎日カロリー計算するのが面倒クサイ人には、
体重とウエストサイズを計るくらいならできるでしょう。簡単ですから。

脱衣室にでも体重計と巻き尺を置いておき、
壁にグラフ用紙と鉛筆をぶら下げておけば、たった1分で済みます。

グラフを作るという習慣は非常に役に立ちます。
あなたの真実の体を見ることができるんです。一部分だけですけどね。

各栄養の重量の計算

先ほど来、食べ物による摂取エネルギーと言っているが、
食べ物は、大きく言うと、エネルギー供給と体の構成の二つの働きがあります。

体の構成とは、骨とか内臓、筋肉や皮膚など人を形づけるものという意味です。
下の画像は人体の栄養素別の構成比です。

一番多いのが水分で、全体の60%も占めています。
次にタンパク質で約20%、次いで脂質が13~20%などです。
糖質はたったの1%ですが、これはエネルギーに使われているため。

もちろん重要な栄養素は上記にとどまりません。
ビタミン、食物線維、酵素、ファインケミカル(フィトケミカル)などがあります。

ですが、ここでは主要な栄養素に関する計算にとどめようと思います。
細かで複雑になると理解が難しくなることを避けるためです。

 

水の計算

まず大事な水は、1日当たりどれくらい必要かと言いますと、

必要水分量 = (体重(kg)×40)/1000

です。例えば、体重50㎏の人は、1日2ℓの水が必要。

成人のモデルケースですと、この2ℓを賄うため、
食事から約1ℓ、体内生成が0.3リットル、飲料が0.7ℓという感じです。

一方、水分の出る方ですが、呼吸や汗による蒸発が、

水分蒸発量 = (体重(kg)×15+200×(体温−36.8))/1000

です。先の体重50㎏で体温が36.8度の場合、0.75ℓ蒸発します。
水分の補給が2ℓでしたから、差し引きますと、1.25ℓが、
尿や便によって排出される計算です。

水分が不足しますと、まず脱水症状が出てきます。
もっと軽度な場合ですと、排泄などにも影響があります。

さらに不足しますと筋肉の痙攣や循環器の支障がでます。
さらに失うと死んでしまいますから怖いものです。

水の重要性はもっとあると説く人も多くいます。
その人たちは、硬水か軟水か、酸性かアルカリ性か、
カルシウムやマグネシウムの含有量などを含めて質を説きます。

が、今回は、量についてにとどめます。

タンパク質の量の計算

人体では、水の次に構成比の多いのがタンパク質です。

たんぱく質の必要量を計算するのによく使われるのは、

必要たんぱく質(g) = 体重(㎏) × 係数
※係数は運動量に応じて0.9~2程度までの数値を使います。

で計算するやり方です。

しかし、これは脂肪で太っている人も痩せている人も
同列に扱っていて、正確性に問題という批判があります。

その場合、除脂肪体重を基準にする算式を使うのが良いと思います。

1日のたんぱく質(g) = 除脂肪体重 × 2
※除脂肪体重とは体重から脂肪分を除いた体重

先にも言いましたが、普通の体重計でも除脂肪体重が計測できます。
例えば、除脂肪体重が40㎏の人は1日当たり80gのタンパク質が必要ということ。
日本人の場合、1日に80gものタンパク質を摂取するのはなかなか大変です。

80gのタンパク質を、例えば牛肉だけで賄おうとすると、
牛肉には20%程度のタンパク質含有ですから、
400gの牛肉を食べる必要が出てきます。
こんなことが可能な人はそう多くはありません。

しかも、牛肉には脂質など他の栄養素を多く含みます。
これは、栄養バランスに気を使う場合には難点になります。

タンパク質を摂る上で、動物性と食物性のタンパク質両方を摂る方が良いです。
そのうえで不足分が出るのであれば、プロテインで補充すればいいんです。

タンパク質については、「体の主演者:たんぱく質」でまとめています。

三大栄養素の重量とカロリーの関係

ここでちょっと予備知識を仕入れます。

三大栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物の3つです。
この3つの栄養素に関しては、重量とカロリーの関係を記しておきます。

タンパク質 … 1g = 4Kcal

炭水化物  … 1g = 4Kcal

脂質    … 1g = 9Kcal

です。エネルギー量が一番多いのは脂質です。
しかし、エネルギーとして最初に使われるのは炭水化物。
タンパク質は分解され再合成され筋肉や臓器などになります。
脂質も貯蔵されます。

エネルギー変換される順番は、炭水化物、タンパク質、脂質の順です。
脂質が一番エネルギー量が多いからと言って最初には使われません。

PCFバランスを利用

PCFバランスというのは、タンパク質(Protein)、
炭水化物(Carbohydrate)、脂質(Fat)のバランスのことです。

先にタンパク質の1日の必要量の計算は説明しました。
また、1日の総エネルギー代謝の話もしています。

なので、炭水化物と脂質の量を出せば揃うことになります。

まず脂質についてですが、体の構成比で13%~20%でした。
通常は、脂肪を同程度か減らしたというのが大半だと思いますから、
その場合は10%~20%程度にすればいいことになります。

脂質が決まれば、残りが炭水化物で、これで3つ決まります。

これまでの例を使い、簡単な計算をして見ます。
前提を、全エネルギー量を2,000Kcal、タンパク質を80gとします。
また、脂質を20%摂ると仮定すると、400Kcalになります。
タンパク質80gはカロリーになおすと80×4 = 320Kcalです。
従って、2,000 - 320 - 400 = 1,280 Kcalが炭水化物ということになります。

脂質と炭水化物はまだ重量に変換していませんの、変換します。
脂質は、400 ÷ 9 = 45gということになり、
炭水化物は、1,280 ÷ 4 = 320gという計算です。

これは実際の食品のイメージからはズレています。
なので、イメージが湧くよう簡略化してみることにします。

脂質45gというのはどれくらいかということですが、
天ぷら盛り合わせ1人前で、脂質約20gです。
これから盛り合わせだけで脂質を賄うとすれば2.25人前という計算です。
しかし、実際な1人前でもタンパク質12g、炭水化物23g含まれています。

炭水化物320gで1,280Kcalというのを換算します。
白米1杯150gで252Kcalです。この中に炭水化物56gです。
これから1,280Kcalを252Kcalで割ると5杯分にあたりますし、
320gを56gで割ると5.7杯分の計算です。

まとめますと、

タンパク質… 80g
脂質   … 45g
炭水化物 … 320g

です。重量比で、タンパク質18%、脂質10%、炭水化物72%です。
カロリ―比でタンパク質16%、脂質20%、炭水化物64%とはかなり違って見えます。

実際、1日の食事では品数も豊富なので、単純にはいきません。
管理栄養士のように、はかりに計って食事を作るわけにもいきません。

明治の計算サイトで事後的に各栄養素を確認するのが現実的ですね。

PFCバランスは方向性をしっかりと決めることが大事だと思います。
数値については正確さを求めず、
柔軟に運用するのが良いと思います。
その柔軟な方法については後述します。

 

エネルギーと栄養:体の付き合い方

これまでの話で結構勉強になったということで、
ダイエットに挑んでみようという人がいるかもしれません。

それで、もし1回の食事毎とか1日の食事とか、
全て管理しようと考えるなら、ちょっと待ってください。

最初に標準体重と標準偏差という言葉を紹介しました。
これは、標準体重±標準偏差の範囲内の体重の人は、
約7割弱の人がいるということなんです。
つまり、普通の人ですね。

普通の人の場合、減量する際には1月で2~3㎏が適切です。
それ以上だと急激すぎて体に不調が出てくるかもしれません。

人が1㎏体重を減らすには7,000Kcal減らす必要があると言います。
1日当たり233Kcalということになります。

例に使っている1日の総カロリー2,000Kcalからすると約12%減です。
12%程度であればいいです。でも最大で20%程度に収めるのが良いです。

大事なのは、1回の食事毎とか1日の食事とか、細かに管理ではなく、
1週間で見て帳尻を合わせる方が、長続きし、効果も出やすいです。
ムリは良くありません。食べたい時があれば食べれば良いです。
日によって凸凹があっても、1週間で帳尻を合わせればいいんです。

なので、1週間の総カロリーとか各栄養素とか把握してほしいです。
1日の内容が分かれば7倍すればいいんです。
そして、減量に挑むなら、カロリーを減らす計画を立てます。
ベースラインの総カロリーから10%減とか20%減の計画を立てます。
計画実行は1週間単位で十分です。

体重計に乗る習慣とカロリー計算のサイトに慣れることです。
これが普通になれば、体の管理はかなりできていることになります。

武者小路実篤の人生論にこんな言葉があります。

 

人生にとって健康は目的ではない。しかし最初の条件なのである。

 

 

 

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